不具合内容と、改善処置の内容が違っている?
令和4年2月17日に国土交通省に届けられた
リコール届出番号「外-3347」に付いて疑問に思った方が多いため
解りやすく説明します。
今回の不具合内容は、クーランクポンプとなっています。
しかし、改善処置はEGR(Exhaust Gas Recirculation排気ガス再循環の略称)の
制御用電磁バルブを新品に交換し、エンジンコントロールユニットの制御プログラムを対策プログラムに書き換える、となっています。
ここで疑問が出るのは当然です。
原因はクーラントポンプなのに改善作業は、EGRバルブの部品交換とエンジンコントロールユニッ
トのプログラムを対策したプログラムに書き換えるリコールです。「え、原因のウォーターポンプ
は何もしないの」と疑問が出るのは当然です。
ここで国土交通省が発表しているリコールの届け出を引用して貼っておきます。
国土交通省のホームページより引用した届出書となります。
不適合状態の説明と原因を説明がされていますが、わかりやすく箇条書きにしてみます。
①ディーゼルエンジンに搭載しているクーラントポンプの軸受け設計が不適切の
エンジン型式OM656の6気筒エンジンとエンジン型式OM654の4気筒エンジン
(クーラントポンプは、エンジン冷却の為冷却水を循環する役割をしています)
③冷間時エンジン本体の温度を早く上げる為に、
クーラントポンプに遮蔽版が取り付けられていて、
その遮蔽版を動かすために負圧の力を利用していますが、
クーラントポンプに負圧の力が掛かって
冷却水が負圧回路に漏れ出てしまう事がある。
④負圧回路に回った場合、EGRバルブの内部に冷却水が入って
作動できなくなり、エンジン警告灯を点灯(MIL)させます。
(MILとはMulti function Indicator Lamp の略語で
通常チェクエンジンと言っています)
⑤エンジン出力が低下する
⑥ブレーキ倍力装置の機能が低下する
(ブレーキ倍力装置とは、ブレーキマスターバックと言われる、負圧の力を借りてブレーキ制動能力
を上げる部品の事です。その為ブレーキに異常を感じたらすぐディーラーに行ってください。)
⑦EGRバルブがショートした場合最悪の場合火災になる可能性がある
⑧平成31年1月8日から令和3年11月25日に輸入された車両
⑨モデルは
「205 C220dセダン」「205 C220dステーションワゴン」「253 GLC200d4MATICクーペ」
「167 GLE300d4MATIC」「167 GLE400d4MATIC」「167 GLE400d4MATICクーペ」
「223 S400d」「223 S400d4MATIC」「167 /GLS400d4MATIC」の9モデル
⑨日本での不具合発生報告は7件
改善処置の内容について
①EGR制御用の電磁バルブを新品に交換
②エンジンコントロールユニット制御プログラムを対策プログラムに書き換える
③点検の結果、負圧回路に水の侵入があった場合関連部品を交換する
冷却水の侵入も無く点検で終わった場合の、改善箇所説明図が国土交通省にあったので
引用して貼っておきます。
外-3366が令和4年3月31日に届け出されました
内容は外-3347と同じです
国土交通届け出を引用しておきます。
改善内容個所説明図も引用しておきます
①輸入期間
平成31年1月8日から令和4年1月5日まで
②モデルは
「GLC220d 4MATIC」「GLC220d 4MATIC」「GLE400d 4MATIC」
「GLE400d 4MATICクーペ」「GLS400d 4MATIC」
「3G350d」「G400d」
7モデル
③不具合件数7件
外-3397が令和4年4月27日に届け出されました
内容は外-3347/外-3366と同じです
国土交通届け出を引用しておきます。
改善内容個所説明図も引用しておきます
①輸入期間
平成30年4月24日から令和2年月29日まで
②モデルは
「E220dステーションワゴン」「CLS220d」
2モデル
③不具合件数10件
3件の合計は、25,576台となりました
問題は、冷却水が負圧に回っている場合の修理に時間が掛かる事です。
負圧ポンプが、エンジンオイルポンプと同じ部品からできている為、
エンジンを下さなければならないからです。
まとめ
リコールのDMが来たらなるべく早く正規ディーラーに連絡して
入庫予約をしてください。
リコール発表直後は込み合いますので、早めの問い合わせをお勧めします。
名変直後や名義変更をされていない場合、DMが届きませんので気になった場合
メルセデスベンツ日本のリコール検索を利用すれば確認がすぐできます。
下記にメルセデスベンツ日本のリコール検索サイトを張っておきますので、
車検証の車台番号を確認しながら入力して検索してください。
入力する時の注意点ですが、「選択してください」となっているカーソル
を押すと、車台番号の頭3桁のアルファベットが出てくるるので、車検証
をみて「WDD」「W1N」など選んで下の枠に残りの14桁の数字とアルファベット
を入れて検索ボタンを押していただければ、対象のリコールが出てきます。
リコールは車両の持ち込みが面倒で時間がかかる場合が多く、いつでも良いかと
思う方も多いのですが、早期に実施したもらいたいです。